ずっと猛暑の日でしたが、今日は随分と涼しいですね。
ここ最近は朝も昼も夜もとっても暑かったので、このくらいの気温が天国に感じます。
というわけで、文藝春秋2015年9月号。
芥川賞を受賞したピース又吉直樹の「火花」が全文掲載されている文藝春秋2015年9月号を昨日購入しました。
ニュースでも散々取り上げられているように「火花」は芸人さんの先輩と後輩のお話なのですが、どう想像しても芸人として成功するという単純な内容ではないですよね。
むしろその逆の内容っぽい。光と陰のように一方が駄目になるパターン、もしくは両方とも?
ええ、私はそういったお話が苦手です。
以前に内村光良の監督した「ボクたちの交換日記」という芸人さんを題材とした映画をレンタルしたのですが、導入部分で観るのをやめてしまいました。
たぶんこの「ボクたちの交換日記」もあのパターンですよね。
同じ内村光良監督の「ピーナッツ」は最後まで観ましたよ。
人柄の良さが溢れていてとても面白かったです。
あと、こちらは漫画家のお話ですが「トキワ荘の青春」という、トキワ荘の漫画家テラさん(寺田ヒロオ)を主役にした映画がありました(本木雅弘がテラさん役)。
かなり昔にレンタルで観たのですが、観ている間どうしてレンタルしてしまったんだ…と後悔しましたよ。
だって、テラさんが最後にどうなるのか、こちらは知っているんですもの。
そうそう、この映画には若い頃の阿部サダヲが藤子・F・不二雄役で出演していましたよ。
少々話が横道にそれましたが、そういったことに恐怖しつつ、昨日「火花」を読みました。
まず1ページ目、花火大会の描写が少々難しく書かれているのですね。
これは読むの大変かも…と少し面倒にも感じましたが、その後はそのようなこともなくスルスルっと読めました。
第一線で活躍する芸人さんが書いている本だけに、ほぼボケで成り立つ会話や、舞台での漫才の様子もとても面白いですね。
「スパークス」や「あほんだら」の漫才を実際に観たくなりました。
読んでいて気になるのが相方の存在。先輩神谷と後輩徳永のお話ばかりで徳永の相方の話が全くないのですよ。
単純なイメージとして、漫才コンビは相方へのいろいろな感情、不満など、特に若い頃には沢山あるのでは?と思いつつ、そこらへんの描写はバッサリと捨てられて(?)いるのですね。
そういった描写はありきたりといえばありきたりなのかなと読み進めると、途中でようやく相方登場。
その相方、最後まで優しい。考えてみるとこのお話に登場する方みんな優しいのですよね。
別れの間際、真樹さんが寄り目にして舌を出すところも印象的でした。
そして、個人的に恐怖していた展開。
先輩神谷と後輩徳永の関係に亀裂が入るという展開は想像していたのだけれど、実際には想像したものとは全く違うものでした。
てっきり格差が生まれたことによる衝突とばかり思っていました。
後輩徳永のグシャグシャっとした感情と、それを受け止めようとする先輩神谷、そこに狂気を感じつつも素敵でした。
すでに映画化の話もあるようで、このお話をどのように映像化するのかも楽しみ。
ドラえもんに「帰ってきたドラえもん」というエピソードがあって、ウソを付くと本当になってしまう「ウソ800」という道具が登場するのですね。
ラストのコマでは泣きつつも笑顔で抱き合い、真逆のことを言うドラえもんとのび太に感動しましたが、最後の「スパークス」の漫才にも同じ感動がありました。
あの部分を特に映像で観てみたいな。
でも、やっぱりこういった話は苦手。