昨年発売された、アメリカのロックバンド「ザ・ビーチ・ボーイズ」の幻のアルバム「The Smile Sessions」を聴いてみました。
もともと、名盤「ペット・サウンズ」の後、67年に発表されるはずのアルバムだったのですが、リーダーであるブライアン・ウィルソンの精神が壊れてしまったため、制作が頓挫してしまったというもの。
今から数年前、復活したブライアン・ウィルソンのソロ名義にて、新録された「スマイル」も発表されましたが、今回の「The Smile Sessions」は、当時の音源をまとめたものです。
気持ちに余裕のあるソロ名義の「スマイル」、逆に「The Smile Sessions」はギリギリな感じですかね。
2つのアルバムを聴き比べるのが、とても面白いです。
「Surf’s Up」などは、若い声の「The Smile Sessions」のほうが断然良いかなぁ。
ちょこっと話がそれますが、「スマイル」のようにアーティストの問題で発売されなかったというアルバムで、個人的に思い出すのが「Forest For The Trees」。
BECK(漫画でも、ジェフ・ベックでもないベック)が、「ルーザー」という楽曲で脚光を浴び、メジャーレーベル争奪戦になった時、「ルーザー」の共作者、カール・スティーブンソンという人物もメジャーレーベルと契約したといった話を訊きました。
ビデオクリップが意味不明な世界観の「ルーザー」は↓
http://www.youtube.com/watch?v=YgSPaXgAdzE&ob
アルバムを楽しみしていたものの、一向に発表される気配がなく、確か、その3〜4年後くらいにひっそりとした感じで、カール・スティーブンソンのプロジェクト名「Forest For The Trees」のアルバムが発売されたのですね。
なんでも、制作の途中で精神的な病気になりつつも、楽曲の出来に納得が行かず、アルバムの曲を何度もアレンジしていたそうです。
そうこうしているうちに病状も悪化。
結局、一番最初のバージョンが一番良いんじゃない?といったことをレコード会社の方と話して、本人も納得。
記憶がかなり曖昧ですが、確か、そういった経緯で1stアルバムが発売されたようです。
アルバムの1曲目「Dream」↓
http://www.youtube.com/watch?v=aK4d1etNI7Y
↑を聴いても、一体これ以上、どこに手を入れるつもりだったんだ!?という気もする、とても良い曲ですね。
2ndの制作の話も訊きましたが、制作の途中で病気の再発。
「Sound of Wet Plant」という5曲入りのミニアルバムが発売されたものの、その後、近況などの話は一切訊きませんね。
「ブライアン・ウィルソン」のように、いつか復活することを待っています。