探偵 御手洗潔(みたらいきよし)シリーズが代表作である島田荘司という本格ミステリ作家さん。
ご自身が過去に出版した作品の改訂版を比較的よく出版していて、以前に御手洗潔シリーズである「異邦の騎士」という作品の改訂完全版も出版していました。
読んでみたところ、いくつかの文章の違いには気が付いたものの、それによって格段に面白くなったかというと、個人的にはそれほどの違いはなく、オリジナル版でも変わらずに面白いといった印象。
改訂完全版を出版する理由としては、なんでも、自分の過去の作品を読んで、このような未熟な文章をお客さんに読ませるのは失礼と思うとか。
そういえば、僕自身、イラストのお仕事をしていて、自分の過去の作品を見たりすると、ちょっと修正したいといった気持ちが生まれたりします。
いや、僕の絵を知っている方には、ずっとおんなじ絵を描いていますよね?などと言われるような気がしつつ、個人的に、その時に描いたものよりも、目の大きさを一回り小さくしたい!とか思ったりもするんですヨ。
ちょこっと話がそれてしまいましたが、「異邦の騎士」を読んだかぎり、内容的には同じですし、今後、他の作品の改訂完全版が出版されても、すでにオリジナル版を読んでいるものについては、購入するのはやめようと。
なんてことを考えつつ、先日、古本屋さんで「占星術殺人事件 改訂完全版」と「斜め屋敷の犯罪 改訂完全版」を見つけたので、購入してしまった!
占星術と斜め屋敷自体、かなり昔に読んだので、正直、オリジナル版と改訂完全版との違いは分かりませんでしたが、やっぱり初期の御手洗潔シリーズは面白いなぁ。
そうそう、御手洗潔のことで思い出したのが、何年か前に訊いたことのある、御手洗潔シリーズ「暗闇坂の人喰いの木」の映画化の話。
当時はかなり期待していたものの、すっかり忘れていた映画化の話。一体どうなったんだ?と、調べてみました。
監督は、ケイゾクやトリック、最近ではSPECなどの作品の堤幸彦監督で決定。脚本自体も完成していたようですね。独特な映像を作る監督さんですが、とても面白くなりそうじゃないですか。
御手洗潔役には、竹之内豊やオダギリ・ジョーの名前が挙がっていたものの、所属事務所がシリーズものでのイメージの固定化を避けるため断ったとか(個人的には、竹之内豊は島田荘司の別シリーズ、吉敷竹史(よしきたけし)のイメージだなぁ)。
その後、堤幸彦も監督から降りてしまって、最終的に制作自体が中止に…。
御手洗潔シリーズは一度も映像化されてなかっただけに(それまで、島田荘司自身が御手洗潔シリーズの映像化の話が来た際は全て断っていた)、なんとも残念な結末。
島田荘司自身、もう日本での映像化は無理なんじゃない?と言っているようですが、どなたか映像化してくれないですかね。
出来れば「暗闇坂の人喰いの木」よりも、「占星術殺人事件」を映像化したものが観たいな。