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アイアン・スカイ

ものすご〜く昔、落合信彦の「20世紀最後の真実」という本を読みました。

 

記憶はかなり曖昧ですが、確か、第二次世界大戦中にドイツ軍がUFOの研究をしていたとか、ヒトラーには影武者がいて、本物は大戦末期にUボートにて南極に脱出、南極でUFOなどの兵器を開発しつつ、現在も世界征服の機会を虎視眈々と狙っているといった内容。

 

ジャーナリストという肩書きの人物が、このような内容の本を書いて良いものかと少々心配になりつつ、UFOといえば宇宙人の乗っている架空の乗り物だと認識していたので、このUFOオカルトの新説はとっても面白く感じましたヨ(後に知ったのですが、ナチスのUFOって、かなり有名なオカルト話なのですね)。

 

というわけで、少し前に観たのが、そんなナチスのUFOをモチーフとしたSFコメディ映画「アイアン・スカイ」。

 

近未来の世界、アメリカ大統領(女性)が選挙PRの一環として、黒人を初の宇宙飛行士として月に送ったところ、月の裏側にナチスの基地を発見、そこから世界を巻き込む大変な事態になってしまうといったお話。

 

なんでもこの映画、カンパによって1億円の予算を集め、フィンランド、ドイツ、オーストラリアの三ヶ国共同で制作されたそうです。ええ、驚いたことにドイツも参加しているのですよ。

 

以前、ドイツ制作の「ヒトラー~最期の12日間~」という映画を観たことがあるのですが、題材が題材なだけに非常に気を使った作品に感じたのですね(特に映画の最後にヒトラーの秘書だった女性ご本人が登場するところ)。

 

敗戦国というのは、ここまで映画制作にも気を使わなければいけないのか…と驚愕していたのに、「アイアン・スカイ」みたいなナチスを題材としたヘンテコSF映画も作っちゃうんだから、なんだかよく解らん…。

 

そうそう、劇中にその「ヒトラー~最期の12日間~」のパロディもしっかりと入っていました。

 

シーンの途中までパロディと気付かず、広報担当の女性がなぜこんなにも怒っているのか不思議に観てしまいましたヨ。

 

その他もパロディやブラックなユーモア満載の映画でしたが、個人的には「チャップリンの独裁者」のシーンがとっても好きだな。

 

あと、ラストはスタンリー・キューブリック監督の「博士の異常な愛情 」のオマージュですかね?
あのようにストレートなオチの作品を観るのは久しぶりで、なんだか新鮮に感じましたヨ。